水星は、これまであまり探査機が訪れたことのない、なぞの多い惑星です。
これまでに水星を訪れた探査機はたったの2機。NASAのマリナー10号とメッセンジャーだけです。
- マリナー10号: 1973年打ち上げ。3回にわたって水星のそばを通り、表面の約半分をさつえい、磁場や表面の温度などを観測しました。
- メッセンジャー: 2004年打ち上げ。2011年から水星をまわる
軌道 に入って、水星全体の表面を初めて撮影しました。水星には蒸発しやすい物質が多くあることもわかりました。

日本のJAXAとヨーロッパ宇宙機関(ESA)は、2018年に打上げ予定の探査機で協力して水星を調べることにしています(ベピ・コロンボ計画)。この計画は、水星本体の探査を行う「水星表面探査機(MPO)」と、
日本が担当する「水星磁気圏探査機(MMO)」が調べるのは水星の磁場です。
たとえば地球には強い磁場がありますが、これは、地球内部にある
これまでの調査で、水星にはわずかに磁場があることが分かっています。発見した当時、このことは惑星科学者をとてもおどろかせました。なぜなら、水星は、溶けた金属を高温に保つには小さすぎ、また、電流が流れるためには自転がゆっくりすぎるので、磁場がないと考えられていたからです。
なぜ水星が磁場を持っているのかは、まだよく分かっていません。MMOがその謎を解き明かしてくれるかもしれませんね。
- 磁力線が地球と似ているよ
ヨーロッパ宇宙機関が担当する「水星表面探査機(MPO)」が調べるのは水星の表面と内部のようす。水星の表面はかたい岩石でできていて、地球の月のようにクレーターでおおわれています。これは大気がほとんどないために
