太陽系のギモン
水星にはなぜ大気がないんですか?
水星の大きさは、ちょうど火星と月の中間くらいです。火星の大気は地球よりずっとうすく、月には大気はありません。このことには重力と温度が関係しています。
大気を作ってるさまざまな分子は、ものすごいスピードで運動していて、温度が高いほど速く動きます。この速さが「脱出 速度」(物体が宇宙に飛び出すのに必要なスピードのことで、地球では1秒間に11km進む速さが必要です)より速いと、大気はどんどん宇宙空間ににげていってしまいます。
水星の場合、地球より小さくて軽いので、脱出速度は1秒間に4kmと地球ほどスピードがいりません。水星は地球に比べて太陽とのきょりがとても近く、地表の温度は500℃にもなるため、酸素や窒素 などの「ガス」は地球よりも速いスピードで動き、みな宇宙空間へにげてしまったわけです。
ただ、「大気がない」というのはちょっと誤りで、1980年代になってから地上の望遠鏡で大気があることが発見されました。大気といっても非常にうすく、スペースシャトルの軌道 ぐらい高い場所と同じぐらいしかないので、とても人間が呼吸できるようなものではありませんが、惑星と惑星の間を飛び交っている太陽風の密度にくらべれば100倍以上の密度があります。
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