キミにもなれる?!宇宙のお仕事ガイドブック

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長谷川晃子さんにちょくげきインタビュー

長谷川さんのお仕事は、衛星が地上と通信する時間帯を調整することなんですよね?

斎藤さん

そうです。7つのうちどの衛星が、地上に4つあるアンテナのうちどれを使って、どの時間帯に、どのくらいの時間通信を行うか、というスケジュールを調整して表にし、関係者みんなに知らせる仕事です。

7つもいっぺんにとなると、時間が重なることもあるのでは?

斎藤さん

重なる場合には、例えば「7時間通信したい」と希望している衛星のチームに「5時間ではどうですか?」と相談して調整していきます。一番大変だったのは、「あかつき」と「イカロス」の打ち上げと、「はやぶさ」の帰還が1カ月の間に重なったときです!いつもは 「絶対にこの日に何かしないといけない」という予定がある衛星を優先するのですが、この時はどの衛星も大事な予定ばかりでとても困りました。最終的には、海外局のアンテナをお借りして、3つともスムーズに通信することができたのでよかったです!

仕事をするときに気をつけていることはなんですか?

斎藤さん

スケジュールを作る仕事は、色々な人とコミュニケーションをとることがとても大切です。 話の内容は全部わからなくても、ごはんを食べながらとか仕事以外の会話にも参加してアンテナをはったり、「耳が聞こえませんが、ゆっくり話してもらえればわかります」と積極的に話しかけて自分を知ってもらったりするよう心がけています。

今まで仕事をしてきてうれしかったことはなんですか?

斎藤さん

初めて「ありがとう」というメールをもらったことです。「あなたが作ったスケジュールのおかげで、会議の時間が短縮できました。すごく助かります、ありがとう」と書いてありました。本当にうれしくて、やっと仕事のスタートラインに立てた、と思いました。

子どものころから宇宙が好きだったんですか?

斎藤さん

プラネタリウムを見たり、星空の見学会に行ったりするうち、自然と宇宙が好きになりました。中学時代に向井千秋さんが宇宙に行った映像を観たとき、私もああなりたいなと思ったんですよ。耳が聞こえないので宇宙飛行士にはなれませんが、それに近い仕事ができたらいいなと思うようになりました。

いまのお仕事の前に、会社員もしていたんですよね。

斎藤さん

そうなんですよ。短大で宇宙関係の仕事に役立つかもしれない、と思ってプログラミング(コンピュータのプログラムを作ること)の勉強をしていたので、まずはその仕事で一人前になりたいと思っていたんです。でもある日、JAXAが職員を募集していたのを見つけて「やっぱり宇宙の仕事がしたい」と。しめきりの4日前で、ギリギリ間に合いました!

今後どんなお仕事をしたいですか?

斎藤さん

「システムエンジニア」になりたいです。今みたいにスケジュールを組むだけではなくて、 どんな人たちが携わっていて、どこからデータが来て、どこのメーカーの機械を使って…と、仕事の全体を深く理解したうえで、プロジェクトを管理するような仕事ですね。 そのためにも今のお仕事をがんばって、少しずつ経験を積み重ねていきたいと思っています!

長谷川さん、ありがとうございました!

プロフィール
はせがわ・あきこ
1982年、東京都生まれ、科学衛星運用・データ利用センター衛星運用グループ所属。主に、複数の科学衛星で使用する設備の開発、運用、維持などに携わっています。

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