地球のギモン
地球と宇宙の境目はどこですか?
じつは、「ここからが宇宙」という境目はありません。みなさんは、宇宙がどんなところか知っていますね。そう、大きな特ちょうは、重力がなくなる「無重力状態」と空気がない「真空状態」です。地球上空でこの2つの特ちょうを満たすところ......。そのあたりからを宇宙と考えてもよさそうです。
地球のまわりには、たくさんの人工衛星が回っています。これらの人工衛星の中は無重力状態になっています。ただし、本当に重力がないわけではありません。人工衛星は秒速8kmもの速度で回っていて、この速度になると、地球に引かれる「重力」と人工衛星が出す「遠心力」がつり合って、あたかも重力がなくなったような状態になるのです。
つまり、秒速8kmの速度を出せはたとえ地球表面すれすれでも、人工衛星として回り、その中は無重力状態になることができるわけです。
しかし、地球のまわりには空気があります。空気の中で秒速8kmも出すと、人工衛星は空気とのまさつで燃え、空気のていこうを受けて速度が下がり、すぐに地上に落ちてしまいます。
空気のないところでないと、人工衛星はちゃんと回りません。地球の空気の層(大気圏 )は、空気のあるところとないところの境目がはっきりしているのではなく、高くのぼるほど、だんだんうすくなっていきます。人工衛星がちゃんと回ることができるほど空気がうすくなるのは、地球からおよそ100km上空。そこは、地上の実験室でつくる「真空」よりも、もっともっと空気がうすいところです。このあたりからを「宇宙」ということができるでしょう。