宇宙のギモン
宇宙にはどんな物質がただよっているんですか?
太陽系の近くには、惑星や衛星の他に、直径数kmの小惑星や、もっと小さな石ころやチリ、彗星などが散らばっていて、そのなかを「太陽風」と呼ばれる太陽から放出される高速/高温の水素原子の風がながれています。
太陽系の外では、物質の密度は大きく下がりますが、主に水素からなるガスや、ミクロン程度のチリが広がっていて、その中を「宇宙線」という高エネルギーの粒子 (陽子や電子など)が走り回っています。もちろん、冷えて固まり始めているガスの雲や、星、その残がいの白色矮星
や、中性子星、ブラックホールなどもあります。銀河系の外までゆくと、密度はさらにぐっと下がってほとんど物質はなくなりますが、極めてうすくガスが広がっていることがわかっています。またその中を、数は少ないですが宇宙の果てや別の銀河からやってきた「宇宙線」が走りまわっています。さらに遠くにいけば、そこには別の銀河があり、また星やチリがあります。
もう一つ忘れてはいけないのが、「暗黒物質」と呼ばれている物質です。私たちの銀河の全質量の半分くらい、宇宙全体の質量の90%くらいは、この「暗黒物質」で出来ているのではないか、と考えられています。ということは、我々の身近な宇宙にも多く存在するはずですが、いまだその正体はつかめていません。
今のところはっきりしているのは、銀河の動きやガスの運動の様子、さらには「重力レンズ効果」などから、「目で見えている物質だけでは説明できない、大きな質量があるように見える」という観測結果だけです。