太陽系のギモン
冥王星(めいおうせい)は惑星じゃないんですか?
天王星と海王星の軌道 が理論値と合わないことから、19世紀末より海王星の外側に太陽系第9番目の未知の惑星が存在すると考えられていました。1915年には 、アメリカの天文学者パーシバル・ローウェルが冥王星 の存在を発表。その後、ローウェル天文台のトンボーによって1930年2月18日に発見されました。冥王星は岩石質で、おそらく氷とこおったメタンでおおわれているだろうと考えられています。
1978年に衛星のカロンが発見され、その運動などから冥王星の質量と直径は明らかになりましたが、大きさは地球の月の約3分の2と小さく、約40天文単位という遠方に位置しているため、まだわからないことが多かったです。
2006年8月末にチェコのプラハで開かれた国際天文学連合総会で、天文学者は惑星を科学的に明確に定義しました。
(1)太陽の周りを回っていること。
(2)十分重く、重力が強いため丸いこと。
(3)その軌道周辺で群をぬいて大きく、他の同じような大きさの天体が存在しないもの。
1992年、冥王星と同じような天体が似たような場所に次々と発見され、その数は1,000個以上にのぼります。また、2005年には冥王星より大きな直径を持つ天体2003UB313が発見されていることなどから、冥王星は(3)の条件に当てはまらず、惑星の仲間ではないと決議されました。
(1)と(2)の条件を満たし、また衛星ではない天体を「準惑星」と呼んでいます。冥王星、2003UB313、それに現在までに発見された小惑星で最大のケレスも、この分類に属しています。2015年にはアメリカの探査機「ニューホライズンズ」が初めて冥王星に接近して表面のくわしい様子をとらえ、複雑な地形があることがわかりました。
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