天体はいろいろな波長の光を発しています。
その色々な波長の光を見るために科学者はいろいろな望遠鏡を作っています。宇宙研でもX線天文衛星「すざく」や、太陽観測衛星「ひので」を使って観測を行っているよ。
凹面鏡やレンズを使って光を集める、私たちが普段目にする家庭用のものと同じような望遠鏡です。ただし、天文学者が使うものはより暗い天体や、人間の目には見えない赤外線などの領域の光を捉えるための様々な工夫がされています。ハワイにある日本の「すばる望遠鏡」や赤外線天文衛星「あかり」の望遠鏡がこのタイプです。
大きなパラボラアンテナで電波を集めるタイプ。仕組みは衛星放送のアンテナと同じですが、星からの電波はとても弱いので望遠鏡のサイズもとても大きくなります。長野県の国立天文台野辺山宇宙電波観測所にあるパラボラアンテナや、チリのアタカマ山脈にあるALMA望遠鏡、電波天文観測衛星「はるか」の望遠鏡などがこのタイプ。たくさんのアンテナを組み合わせて、ひとつの大きな望遠鏡のように使います。
X線はレントゲン写真にも使われるように、いろいろな物質を簡単に突き抜けてしまうので、普通のレンズでは光を集めることができません。また、X線は地球の大気で吸収されてしまうので、X線での天体観測は、望遠鏡自体が宇宙空間にないとできません。実は、日本はこのX線望遠鏡では世界のトップレベルの技術を持っています。X線天文衛星「すざく」がこのタイプです。
遠くにある暗い星は、空気が澄んでいて、なるべく町の灯りなどがない場所のほうがよく見えます。また星からの光の一部を地球の大気が吸収してしまうため、望遠鏡の設置場所は、できるだけ空気の薄い高い山の上などが適しています。じゃあ、宇宙に望遠鏡を浮かべてしまえばもっと沢山の星が見えるはず!そういうアイディアから作られたのが宇宙望遠鏡です。 NASAの打上げた「ハッブル」、日本の赤外線望遠鏡を積んだ「あかり」や、X線を観測する「すざく」、電波望遠鏡の「はるか」といった宇宙望遠鏡があります。