キミにもなれる?!宇宙のお仕事ガイドブック

衛星を動かすチームのまとめ役

米倉克英さんにちょくげきインタビュー

米倉さんは今「イカロス」を動かすチームにいるんですよね。

斎藤さん

そうです。チームのメンバーはそれぞれ専門分野を持っているので、ひんぱんにミーティングをして、仕事がどう進んでいるか、予定が変わりそうかを確認します。そこで何かあれば、すぐに計画を見直して、変更します。

予定は、けっこう変わるんですか?

斎藤さん

「イカロス」は、がちがちに決めた予定は組まないようにしているんですよ。「ちょっとこれやりたいな」と思った人がいたら、その場で状況を見て、やれそうならすぐやってしまおう、と。例えば「ぐるぐる回るスピードを変えたら、もっと良いデータがとれるかも?」と思った人がいたら、スピードをあげるための手順を確認して、ほかに影響はないかを見て、大丈夫そうなら、やってしまいます。
以前関わっていた「かぐや」や「はやぶさ」ではきっちり予定が決まっていたので驚きましたが(笑)、イカロスではそのときにしかとれないデータもあるので、なるべくみんなのやりたいことをかなえられるように柔軟でいたいですね。もちろん、やらなくてはいけないことをしっかり終えたうえで、本当にやっていいのか判断してからやることが大事です。

宇宙に興味を持ったのはいつからですか?

斎藤さん

中学生のとき「ハレーすい星」を見るために、いとこに天体望遠鏡を借りてからですね。
結局ハレーすい星は見えなかったんですけど(笑)、星や月をたくさん見て、こういうことを仕事にできたらいいなあと思いました。高校は普通科に行くよりは専門的なことを勉強してみようと、電波通信専門の学校に行きました。
父が消防士をしていたので、最後まで消防士になるかどうかで迷ったんですが、宇宙の仕事
への夢のほうが大きかったです。

自分で、どんな性格だと思いますか?

斎藤さん

頑固です(笑)。一本筋を通してプロジェクトを進められるのはそのおかげかも。ただ、その一本の筋を決める前の段階…会議の席では、頑固さを出さないようにしています。自分の意見に頑固にこだわっていると、せっかくみんなからいい意見が出されても見逃してしまうでしょう。それではいい仕事はできません。あとは、いつも周りの話しにきき耳をたてて「こうやればいいのにな…」っていう小さな声がどこかから聞こえてきたら、一人でその可能性を考えてみたりもします(笑)。

これからどんな仕事がしたいですか?

斎藤さん

「かぐや」の時のように、コンピュータのシステム作りから関わって、自分がそれを使って最後までその衛星に関わるような仕事ができたらいいですね。そうするうちに、周りの人から「あの部分については米倉に聞けば、大丈夫なんじゃない?」って言ってもらえるようになれたらうれしいです。

20年後の宇宙開発はどうなっていると思いますか?

斎藤さん

地球からではなくて、宇宙ステーションから火星や月に行く、というような時代になっているかもしれませんね。月面基地を作ることが、本格化しているかもしれないし!そのためにはまだまだやらないといけないことが、たくさんありますけどね(笑)。

米倉さん、ありがとうございました!

プロフィール
よねくら・かつひで
イカロスチームにおいてイカロスを運用するスーパーバイザー。運用計画立案や運用手順書を作成する運用計画担当や、衛星管制やデータを配信するシステムにたずさわっています。

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