宇宙線とは、宇宙からほとんど光の速さで飛んでくるエネルギーの高い粒子（主に陽子）です。

どこでそんな速さまで加速されたのでしょうか？宇宙線の加速には激しい爆発現象が必要になりますが、太陽系の中にはそこまで激しい現象は見つかりません。

地球に降りそそぐ宇宙線は、太陽から遠くはなれた場所で起きた超新星爆発の現場から飛んできたものと考えられています。宇宙線は、いわば、銀河系でおきた超新星爆発の爆風のなごりなのです。

宇宙からやってくる宇宙線が地球の大気にぶつかると、さまざま高エネルギー粒子が生じます。大気に入る前の宇宙線を「一次宇宙線」、大気で生じた高エネルギー粒子を「二次宇宙線」と呼びます。

ちなみに宇宙線は、原子炉などからでる放射線と同じ性質を持つので、人の健康には悪影響があります。地上では、厚い大気のおかげであまり影響はありませんが、宇宙にいる宇宙飛行士は大変です。長い間宇宙で暮らしたり、時間をかけて火星に行く時には、宇宙線から体を守る工夫が必要です。